人が動く、つながる、ムーブメントのつくり方

「左の矢印と、右の矢印、どっちが好きですか?」

こんな質問からはじめてみました。

 

福井県の林業女子会である「やまめの会」さん主催の講演会にお招きいただき、

「人が動く、つながる、ムーブメントのつくり方」

というタイトルでお話をさせていただきました。

 

2010年から林業女子会をやってきて、今では全国17個に増えたわけですが、

私が「林業女子会をつくろう!やろう!」と呼びかけたわけでもないのに、「私もやりたい」という声が続々と上がって、立ち上がり、それぞれに楽しく続いているんですね。

 

なぜここまで広がってくれたのかと、振り返ってみると、

活動の進め方や、人のつながりのつくり方に、意図せずしてやっていたコツのようなものがあることに気が付きます。

 

たとえば冒頭の図なんですが、これはゴールへ到達するプロセスを表しています。

左は、目的に向かって一直線!たとえば「間伐面積を●●ha増やすぞ!」「自給率を50%に増やすぞ!」という明確な(数値も含んだ)目標のもと、

「■■推進協議会」的な組織を作り、最短距離で到達するための方策を考えて行きます。

 

しかし、林業女子会ってそうじゃないんですね。

「林業のこと知ってほしい」「林業女子の仲間を増やしたい」という、おおまかな目標はあるのですが、実際は、何をやってもよし。

フリーペーパーを作ってみたり、イベントしたり、思いつきであっちこっち行きながら、なんとなく目標に向かっていきます。

 

また、会議もよく脱線します(笑)

女子特有の、雑談が多くて、気が付いたら全然ちがう話で盛り上がっている、どこへ行くのかわからない、あの感じです(笑)

 

でも、カオスな会話のなかから大量のアイデアが出て、「ポンッ」と答えが出てくる。

女性は、そういう思考のプロセスなんだそうですね。

 

つまり、遠回りこそが女子にとっての近道。

ぐるぐる回って、巨大な渦にみんなを巻き込んでいく(周りの男性も巻き込まれていく・・・)、そんな感じかなと思います。

 

そういう可能性を探っていく場であって、

「林業女子会は何の成果も出していないじゃないか」と言われるのは、ある意味お門違いなのです。

それから、次にお出ししたのが、この図です。

どっちが好きですか?

 

これは組織のつくり方で、

左は見た通りトップダウンで、リーダーが意思決定をして、一つの事業やプロジェクトを、各担当者がそれぞれの仕事をこなして進めていくスタイル。

部門別に分かれているので、専門分野に対してはとても効率的に対処できますが、いっぽうで横の部署のことがわかりにくくなったり。

よくある組織の図ですね。

 

さて右側ですが、これが林業女子会です。

17個ある女子会ですが、じつは「本部」のようなものがなくて、みんなが対等で、好き勝手やっている(笑)

個々人や個々の団体で、プロジェクトが次々でてきて、協力してくれそうな人には手あたり次第声をかけて、おとなりの女子会と一緒にやったりして、すすめていく。

いっぽうで、ヘッドがいないので全体の統一した意思決定が遅かったり、責任の所在がなんとなくのままでやってしまっていたりします。

共通の理念や想いを浸透させ、関わるすべての人が「顔」である自覚を持たないと崩壊してしまうおそれもあり。

ゆる~いようで、実は繊細なあり方であったりもします。

 

林業女子会がなぜ注目されているか?

林業界に女子という存在がレアであるという、純粋な目新しさがあると思いますが、

どこかに向かっているようで向かっていない、組織のようで組織じゃない、その得体の知れなさ(笑)も原因のひとつかもしれません。

 

だから、いろいろな誤解も受けやすいし、自分たちでもうまく説明できないという有様で、

福井で林業女子のみんなと話していて、「もう、理解してもらえなくてもいいんじゃないか!?」という結論に至る始末でございます。

すこしでも理解いただけたらという意図もこめて、この図を載せてみました。

 

これが本当にいいのかどうか、わかりませんが、

サークルでも団体でも、企業でも、ムーブメントをつくっていくときに、ひょっとしたらヒントになるかもしれません。

 

何か活動を始めたい、やっているけど変化したい、そんなときに、

よければ、この2つの図を、思い描いてみてくださいね。