台湾からみた日本の林業その②:「温帯林業」

Hello 台湾!

 

 

台湾は、思った以上に南国です。

北は亜熱帯、そして南へいくと熱帯になるそうですから、どうりで蒸し暑いわけです。

どうりで、フルーツも安くて美味しいわけです!

(台中のかき氷屋さん、マンゴーがまるごと入って300円!)

 

 

たしかに地図を見てみたら、沖縄よりも南にあるんですね。

 

 

さてさて、台湾に行って、ちょっと違った日本林業が見えてきたというお話、

その第2弾です。

第1弾:台湾から見た日本の林業その①:「ヒノキ林業」

 

 

この日差し、南国だ。

街路樹の感じも、南国です。

台北や台中の街中でも南国を満喫しましたが、

ここからは台湾の森について見ていきましょう!

 

 

 

第1弾は、阿里山を目指して嘉義まで移動しました。

↓目的地の阿里山

 

 

すこし時間をさかのぼって、

台北から台中へ向かう新幹線からスタートです。

台湾西部には新幹線(高速鉄道)が走っていて、

2時間ちょっとで台湾を縦断できます。

社内の様子も日本とほぼ同じで、とても快適です。

 

その道中、景色を見て楽しみます~。

 

車窓から見える景色も、やっぱり南国らしいです。

 

ふさふさとしたライトグリーンの田んぼに、

ジャングルに近い雰囲気の森林が、街を飲み込みそうなボリューム感で生い茂っています。

 

どこか日本のようで懐かしいけど、ちょっと雰囲気が違う。

主人いわく、「沖縄にそっくりだ!」とのこと。

たいへんな沖縄好きの主人にとっては、とてもテンションが上がる風景のようでした。

 

 

台中駅で魏さんと落ち合い、嘉義を経由して、阿里山の上までドライブです。

といっても、まず嘉義まで2時間半、嘉義から阿里山まで3時間ですから、

魏さんにはほんとうに酷なドライブをお願いしてしまいました・・・

 

楽しく雑談をさせていただきながらも、

我々夫婦は、やっぱり外の景色が気になってしまうのでした。

 

嘉義の町からしばらくすると、山道に入ってきました。

うん、やっぱりジャングル。

木と木の隙間がないくらいに、こんもりと生い茂っている様子です。

 

さらに、しばらく山道を登っていくと・・・

なんと、ヤシ畑まで現れたではありませんか。

 

標高は1,000mくらいでしょうか。

こんな山の上にヤシ畑があるなんて、台湾のあたたかさに驚く光景でした。

 

1,500mくらいになると、周囲一帯はお茶畑になりました。

 

日本の茶畑と似ていますが、

山の斜面が見渡す限りお茶畑というのは、初めて見る光景。

 

ちょっと車を降りて一休み。

これがあの有名な「高山茶」になるわけですね!

こんな場所で作っているとは・・・たしかに名前そのままです。

茶畑の中に集落があって、

お茶屋さんばかり並んでいました。

 

ドライブも長時間になり、雲も晴れて空気が澄み、

すばらしい見晴らしになってきました。

 

山の様子を見てははしゃいでいる私達夫婦に、魏さんには

「山を見てこんなに喜ぶ若い人、初めてみたよ、おかしいよ!(笑)」

と爆笑されてしまいました。

 

そんなこんなで、標高も2,000mを超えてくると・・・

おやっ!!

 

あのツンツン尖った頭が並んでいるのは、

なんだか見覚えのある風景ではありませんか。

 

 

やっぱり!スギです。

こんなところにスギが現れました。

日本のスギ、クリプトメリア・ヤポニカに違いない。

 

そう、明治時代に、吉野林業の父・土倉庄三郎翁のご子息である土倉龍治郎氏が、

台湾へ渡って植林を広めたといわれていますから、

この杉林は、その吉野杉の末裔なのかもしれません。

 

なんだか親しい人に再会したような衝撃です。

 

ジャングルから少しおとなしい様子の落葉広葉樹林に変わり、

気温なども日本の山っぽくなってきて、

つい温帯に帰って来たような気分になります。

 

感覚的ではありますが、

台湾では、標高1,500m以上くらいが、日本と同じ気候になるんですね。

 

そして3時間のドライブの末、到着した阿里山。

魏さん、本当にありがとうございました。

 

ここに、台湾桧の巨木の森が広がっているのです。

ここは国立公園になっているので、有料ゲートをくぐって入山します。

明日の散策に備えて、ここで魏さんと分かれ、

我々は阿里山森林遊楽区の中にあるホテルに宿泊します。

 

 

阿里山山脈の平均標高は、2,500mだそうです。

 

日本の富士山だと森林限界に近付く高さですが、

ここ台湾では、相変わらずフサフサと森が茂っているのだから恐れ入りました。

台湾の森の豊かさです。

 

また、阿里山森林遊楽区には、台湾桧の巨木の周りに、かなりのスギ人工林が広がっているのが印象的でした。

針葉樹人工林が成立するのが、この標高だということでしょう。

↑ほら、あんなに高い山頂まで緑色!

 

森の様子の違いで、異国に来た事を実感する!(林業女子あるある)

 

そして気が付いた。

 

日本の林業とは、「温帯スタイル林業」なのだと!

 

地球規模で見ればそういうことなんだと思います。

日本は南北に長いので冷帯~亜熱帯にまたがっているものの、

大部分は温帯気候です。

 

日本の至る所に植えられているスギ、ヒノキという針葉樹資源は、

温帯に生きる植物ですから、

台湾ではここまで標高が高くなければ育てられないのですね。

 

スギヒノキという有用な針葉樹を、

温帯に住む我々は、家の裏で、近所の山で、

すぐ身近で育むことができる、そういう日本という環境にいる。

このことは、実はとっても貴重なことかもしれないのです。

 

翻って、

亜熱帯、熱帯、あるいは冷帯や寒帯でないとできない林業スタイルもああります。

それぞれの土地の気候をいかした特産物が、世界に流通して恩恵を分け合っています。

 

そんな大きな枠組みで見直すと、日本の林業の立ち位置も分かるような気がします。

「温帯林業」にできる、しかできない事ってなんでしょう。

温帯だからできること、自然体でやっていきたいですよね。

 

「温帯林業」!

 

熱帯の台湾に行って、見えてきた日本林業。

冷温帯のヨーロッパに行った時は気が付かなかったのですが、

台湾の高山地帯で吉野杉に出会ってしまったからこそ、

そんな視点に気が付いたのかもしれません。

 

次回はいよいよ、台湾桧の登場!

その③につづきます・・・