映画「古都」の舞台 京都・北山杉の里でこの秋見たい風景10選

この秋公開の映画、川畑康成の「古都」の現代版が登場!

映画公式サイト http://koto-movie.jp/

 

過去には岩下志麻、山口百恵などが主演で何度も映画化されたこの作品が、現代版となって制作されました。

それぞれ北山、西陣という伝統産業に生きる双子の姉妹と、その娘たちの物語。京都とパリでオールロケにて撮影されたそうですが、そのロケ地の一つとなっているのが、京都市北区、中川地区です。

私のブログにも何度か登場していて、第二のふるさとと思っているこの地域ですが、言わずと知れた、北山林業のメッカ。

今年は映画「古都」の世界を体感しに、中川を訪れてみませんか?

 

ちょうど秋冬は、北山丸太の製造シーズン。

この時期しか見られないものも含めて、ぜひ見ていただきたい絶景をご紹介したいと思います。

 

1.丸太倉庫群

過去にも「古都」のロケ地となっている、磨丸太を製造・保管するための倉庫群です。岩下志麻ver.の「古都」では、北山を訪れた千重子と、仕事をしている苗子がこの倉庫前で出会います。このロケーションと独特の姿は、丸太の製造保管に特化した形を追求してこうなっています。なるべく多くの丸太を、風通しの良い軒下で保管できるように、なんと1階よりも2階の床面積が大きく、広いバルコニー状のスペースが、大きくせり出しています。

   

このフォルムを支えているのは、地松の梁で、やじろえべのようにバランスを取っている構造とのことです。今の技術では建てられないかも?と言われています。現在は倉庫として使われていないため、老朽化が進んでいますが、「京を彩る建物や庭園」にも選ばれており、地元では保存活動に取り組まれています。

※私有地ですので、倉庫内へは立ち入らないようにお願いします。すこし離れた対岸からがシャッターポイントですよ。

 

2.清滝川(きよたきがわ)

中川集落はその名の通り、真ん中に清滝川が流れています。昔、大雨の時には氾濫することもありましたが、いつもは澄んだ水があり、夏にはホタルも見られる清流です。

あるとき、地元の方が川に入って何かを獲っていたので、「何してるんですか~?」と聞いたら、「ゴリ(魚)がおるんやー!」とのことで、夕飯のおかずもとれるという生活に密着した大切な川です。

 

杉の育成や磨き丸太の製造にも欠かせない「水」ですが、ここはとても水に恵まれた地域で、そこここから湧き水が出て、集落の家の間を縫うように小さな水路があちこちにあります。住民の方の苗字に「水田さん」「岩水さん」など、水がつくのも納得です。また、住民の手により作られたという、欄干のない橋も、川の風景の美しさに一役買っています。

 

3.中川八幡宮

古くからこの地に祭られている八幡宮。100戸ほどの集落にある神社としてはすごく立派に感じます。氏子さんによりいつも綺麗に整えられた境内には、磨丸太で作られた鳥居など、この地域ならではのスポットも。秋には地元の人のお楽しみとして自治会によるライトアップがされる年もあります。

集落を散策される前に、ぜひ地域の神様にご挨拶されてくださいね。

 

4.ご神木(シロスギ)

その中川八幡宮を入って左手奥にあるのは、北山杉のお母さん(シロスギ母樹)と言われている、ご神木です。

樹齢は400年とも500年とも言われますが、それだけ樹齢を重ねても、曲がったり枝分かれせずにまっすぐな樹形が崩れないのは、まさに北山杉だと思わせる立ち姿です。

 

最近、散策道が整備されて近くで触れることができますが、周囲にのびた「根っこ」を踏まないように、気をつけてあげてくださいね。

 

5.400年生の「大台杉」

この集落、あるいは北山一帯で一番大きいと言われている台杉です。(個人の所有です)

「台杉」とは、一つの株から何本もの「枝条」を伸ばした、北山杉の原型で、樹上で複層林を作り出し、繰り返し木材を生産できるすばらしいシステムです。

20年程育てた枝条は、タルキとして生産されます。2年に一度は枝打ちが必要なので手間がかかる施業ですね。

この不思議な形の杉は、ずっと見ていても飽きないです。

 

6.紅葉

北山杉のイメージが強い中川ですが、実は秋になるとびっくりするほど、紅葉がきれいな場所でもあります。集落の中に、山の上に、紅葉が見られます。特に大台杉とバックにある大きなモミジのコントラストは、ここにしかない絶景でしょう。

京都といえば紅葉シーズンはどこのお寺も大混雑ですが、中川はいつもひっそりとして、本当は教えたくない紅葉スポットです。

 

7.築100年を超える家々

平地が少なく、田んぼが一枚もない中川集落。石段を組み上げた上に、家々が並んでいます。

よく見るとわかりますが、どこのお家もほとんど同じつくりをしていて、玄関を上がると囲炉裏の居間があり、煙出し屋根、べんがら塗り、の平屋建てが特徴です。これは明治期に2回あった大火で集落を焼き尽くしてしまったため、同じ時期に若狭から大工さんを招いて立て直したという経緯があります。

 

8.北山丸太の製造風景

冬に集落を歩いていると、磨丸太を製造しているシーンに出会うことがあります。皮をむき、表面を磨き、天日干しにする風景こそ、この地域を作り出した源である産業の姿です。今ではほとんどの製造工場が162号線沿いに移転してしまいましたが、昔は家の軒先で、家族総出で作業をされていたそうです。今でも手加工されている方もいるので、運が良ければ作業を見せてもらえるかもしれません。

お仕事中、失礼しました~。

 

9.山の麺処

集落唯一の飲食店。中川出身の女性が土日限定で営業されている雑穀麺のお店です。集落の中心に位置する100年以上の現役の民家をそのまま利用しているので、中に入ると中川独特のお家の造りがよくわかります。囲炉裏の煙に燻され、黒くつややかに光る建具や大きな梁、お庭を眺められる居間など、誰しもあこがれてしまう空間です。体にやさしい麺、地元の食材を使ったおばんざい、囲炉裏で焼き野菜などが楽しめます。この地域で手作りされている草餅(よもぎ餅)もデザートにどうぞ。

北山杉があしらわれた食器や、冬には北山杉ツリーも見られるかも。

詳細は山の麺処さんfacebookから。 https://www.facebook.com/yamanomendokoro

 

10.人の営みが見える山

中川の風景を包み込んでいるのは、北山杉の林をはじめとした、パッチワーク上になった山々です。「尾根マツ、沢スギ、中ヒノキ」と言われるように、尾根筋にはやせ地で育つアカマツ、ふもとには水を好むスギを植えた風景が全国的に見られます。加えて、北山の主な産物は「マツタケ」「薪炭」「用材」「磨丸太」「タルキ」と多様だったことや、所有者によって細かく山が区分けされていること、植林、育林、伐採の北山林業のサイクルが続いていることから、さまざまな林分があります。

集落のすぐそばにも北山杉が植えられていて、山と密着した暮らしが垣間見えます。このユニークな風景も、北山の人達の暮らしから生み出されたものなんですね。

 

徒歩一時間に、絶景がぎゅっと詰まっている。

じつはこの10箇所のスポット、すべ見て廻っても1時間くらいの範囲にあります。100世帯程度の小さな集落に、こんなに魅力が詰まっているっておどろきですね。谷地形にあって、高低差もあるので、見る場所によってそれぞれに違った風景が見られるのも特徴です。

京都市の中心部から車でたった30分の距離に、こんなおとぎ話のような村が残されています。

 

 

北山杉の里・中川に行くには?

中川へは、京都駅からJRバス高雄・京北線が出ています。1時間に一本くらい出ている「周山行き」をご利用ください。バス停「中川学校前」で下りると、中川八幡宮の目の前です。ちなみに京都駅からは片道740円。交通系ICカードも使えますのでご安心ください。道中の車窓から北山杉の風景も楽しめます。

ダイヤはこちら http://www.nishinihonjrbus.co.jp/local_bus/kyoto/

 

近年、まちづくりの一環としてまちあるきツアーなど観光にも取り組まれている中川地区ですが、まだオールオープンな観光地ではなく、地域の方々の生活の場ですので、ガイドツアーなどに参加されることをお薦めします。一人で歩くよりも、地域をよく知る方のガイドがあれば、北山林業や中川の暮らしの説明もあり、きっと10倍楽しく勉強になるはずです!

以下に、ツアーをされている団体などをご紹介します。

 

■「中川村おこしの会」によるガイドツアー

地域のみなさんが定期的に開催されています。地元民による手作りのツアーは、年々クオリティが上がっていて、思った以上に充実しています。詳しくは中川地区のwebサイトをご覧ください。最近では団体さん向けにオーダーツアーもされています。

今年の秋のツアーは11月19日(土)、20(日)です。 http://kitayama3.jp/nakagawa/

 

 

■北山杉の里総合センターのイベント・体験会

中川も含めた北山地域の案内や体験会をされています。162号線沿いにある施設を拠点とされています。詳しくはwebサイトから http://www.kyotokitayamamaruta.com/index.html

今年は「北山杉の里サポーター養成講座2016」もあります。11月26-27(土日)の一泊二日です!https://www.facebook.com/kitayamasuginosatosupporter/

 

■まいまい京都

わたくし岩井が、春と秋に1回ずつ、ガイドをさせていただいています。半日昼食付きで、参加費は4,000円程度です。

「まいまい京都」はこちら http://www.maimai-kyoto.jp/

 

また最近ではご要望に応じて、林業関係者や学生さんに向けて、有料でオーダーツアーをさせていただくことも増えました。

私はこの集落の出身でもなく、林業家の娘でもなく(よく村人だと間違われますが)一人のファンですが、地域の方々にご登場・ご協力いただきながら、ソトモノ目線・女子目線でのツアーコーディネートが可能です。そのことが、少しずつですが北山林業のことを知っていただき、地域に貢献すればという気持ちでおこなっています。

もしご希望される方は、iwai★chiikino.jp(★を@に変えてください)までご連絡ください。

 

とにもかくにも、秋は北山の絶景!ぜひ足を運んでみてくださいね。

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