林業女子のキャリア論:道は2つじゃない。職業選択は「公務員or民間」でいいのだろうか。

5年間のコンサル時代に出会った多くの林業女子たちとの語らいや自分の経験から、林業女子のキャリアについて綴ってみます。

正解はないけど、何かのヒントになればいいな。

公務員か、民間か?

気が付けばわたしも30歳になりまして、よく林業女子会の後輩から就職相談を受けたりするようになりました。

そんなときによくあるのが、

「公務員か、民間かで悩んでます」

という相談です。

 

この2択って、林業界とか田舎ならではのあるあるなのかなと思います。

林業界ではなかなか女子の働き口がない(と思われている)中で、林学系の大学を出たら国家公務員か地方公務員、という林業女子が多いのが現状。実際、私の大学周りの女子(先輩、同期、後輩含めて)のほとんどが公務員の道を選択しています。

また、とくに田舎出身の場合は親からの「田舎は仕事が少ないんだから公務員になって安定しなさい」という要望が強い場合があって、「親がいう公務員か、それを振り切っていくか」という思考になりがちです。

ある意味でわかりやすい悩みではありますが、ほんとうに公務員or民間という2つの道しか林業女子のキャリアはないのでしょうか?

 

「公務員」にも色々あるんです

では「林業系の公務員になりたい」と考えたとして、林業職の公務員であれば何でもいいのでしょうか。もちろんそんな風に考える人は少ないと思います。たとえば、

・地元で働きたいから都道府県や市町村職員になりたい

・全国を飛び回りたいから国家公務員になりたい

という考えもあるし、

・小回りが利いて地元の人と関わりやすいから市町村職員になりたい

・いや、もう少し広域で色々できるのは都道府県職員がいい

・国を動かすような権限がある国家公務員になりたい

という考え方もあります。

 

地域、権限、できること。

それでポジションを選ぶのも納得できます。

ただもう一つ大事なことなのですが、都道府県といっても全国一律ではなくて、それぞれ政策も違えば、地域により林業の特性も違っています。また、はっきり言って都道府県によって熱意も違います。特に地元にこだわりがない場合には、一つの業界でいろいろな民間企業を比べるのと同じように、都道府県や市町村を比べて考えてもいいと思います。

コンサル時代には、色々な自治体の職員さんとも仕事をさせていただきましたが、都道府県によってモチベーションについても結構な差があると感じました。それは政策的に林業に重点が置かれているかということも大きく影響します。たとえば林業が主要産業の一つである岐阜県や長野県、鳥取県の職員にはとても熱心な方々がいて、一緒にお仕事して楽しかったです。多くの都道府県で「林務課」が置かれている中で、岐阜県は「林政部」という「部」クラスで部署がありますから、体制的にも違うのだと思います。実際、熱心だな~と感じる県では、独自の政策や新しい取り組みも次々に生まれているし、実務的なところで補助金の対応や情報も速かったりするのです。各都道府県が林業分野でどんな施策を打っているか、よく調べれば、その力の入れようが分かると思います。

ほかに大きな産業があったり、あるいは森林が少なく林業がさかんでない都道府県では、政策的に力が入らず職員の定員も少ないのは仕方ないと思いますが。

 

そんな情報はなかなか大学にいてもわからないものですが、インターネットでわかることもあるし、色々な地域とお付き合いのある先生やすでに働いている先輩などから話をきいてみてはいかがでしょうか。

 

「民間」にも色々ある

民間企業には、公務員以上にバラエティがあります。

●業種のちがい

まず、業種が違います。林業界でいうと、分かりやすく言えば「川上~川下」のポジションです。

林業 → 原木流通 → 製材・加工 → 製品流通 → 建築・家具・木工

といった具合に、林業や木に関わる仕事もたくさんの業種があります。自分がどの分野に関わりたいか、どれが得意か好きか、またはどの分野に問題意識を感じているか、という切り口で、まず業種を考えてみてはいかがでしょうか。もちろん、ここに書いていない新しい森林ビジネスもたくさんあります。

私の感覚として、少し前までは林学を学んだ学生は最上流の林業にこだわる人が多かったのですが、最近は原木市場や製材所、製品流通に就職する人が相次いでいて、一種のトレンドになってきているようにさえ感じます。木材業界といえども女性は少数派なので、彼女たちはパイオニアですが、少しずつ女性を採用することに前向きな企業も出てきているようです。川上の林業を知っているからこそ、川中や川下に問題意識を持つのかもしれないし、両方知ることで仕事の面白さも倍増だと思います。

ちなみに、私みたいにコンサルになるという手もあります!デザインなど、異業種から森に関わることだってできますよ。

 

●職種のちがい

次にどんな仕事内容なのか、という職種も大事です。林業と言っても、現場で木を植えたり伐ったりするプレーヤーになりたいのか、プランナーなどのソフト面で仕事を動かしたいのか、あるいは木を売ったり山主営業をしたりするマーケッターになりたいのか、事務方で経営を支えたいのか、ということです。

これは得意分野やスキル、キャラクターなどで雇用者側が決めることかもしれませんが、イメージは持っておいた方がいいと思います。企業だと「一般職=事務」と「総合職」という風に採用の枠が分かれている場合もありますので要チェックです。

ちなみに就職してから「希望していた職種にならなかった!」ということもありますが、新しい自分にチャレンジする機会でもあると思います。特に中小企業だと一人でプレーヤーもマーケッターも事務もやらねばならないことが多いです。長く勤めれば当初の希望通りの職種が回ってくることもあるので、焦らなくていいんだと思います。ちょっと話は違うかもしれませんが、私もデザインなどを「作る人」がしたかったのに、セミナー講師や司会、コーディネーターなどの人前で話す仕事が予想以上に多くて・・最初は嫌でしたが今となってはそちらのプロと思われています(笑)できることが1つ増えて勉強になりました。

 

●企業のちがい

携わりたい「業種」やなりたい「職種」が見えて来たら、キャリアも考えやすくなるでしょう。

そうしたらその2つの軸を持ちながら、いくつかの企業と出会って比較をさせてもらうことも大事です。

たとえば同じ素材生産業者でも、企業によって経営理念や事業内容がもちろん違っています。経営者のキャラクターやメンバーの雰囲気も違います。基本的なところでは雇用条件や福利厚生も違います。正直、就職してみないとわからないこともありますが、たとえばその企業のWEBやSNSを覗いてみたり(そもそもWEBがあるか)することで掴めることも多いです。林業界や木材業界は大企業が少ないので、いわゆる就活サイトには出てこない企業ばかりです。地道に検索をかけたり、業界雑誌を読むことからスタートです。

そしてなるべく自分の足で、企業を訪問して直接経営者とお話しすること。これは直接就職に結びつかなくても、将来のお仕事のパートナーになるかもしれない同業の先輩たちと出会える、貴重な経験だと思います。また足を運ぶことで、別の企業を推薦してもらえることもあるし、実は違う業種や職種が向いているのでは、というアドバイスをもらえたりもします。林業界や木材業界は情に厚い人が多いので、何かしら助言をいただけることが多いような気がします。

私も学生の頃は、人にご紹介いただいては色々な企業を訪問・視察させてもらいました。今思えば、忙しい経営者の貴重な時間を随分ぜいたくにいただいたものだな・・と思います^^;(手土産は必ず持って行き、お礼のレポートを送りましょう。)

もちろん、企業にも喜ばれることもあります。人を雇用したいのに応募がなくて困っている企業もたくさんあります。自分から足を運んでくれる人材には大きな期待を抱かれると思います。

 

自分のテーマを見つけるには出会いと一次情報が必要

これまで書いたように、そもそも公務員か民間か、という切り口からスタートするのではなく、業種や職種から考えて、どんな企業とご縁をいただくかというその先に、自分の天職との出会いが待っていると思います。

ただ、林学を勉強してきたつもりでも、いざ就職を考えるときには「何をしたらいいか、何をしたいのかわからない」という人が圧倒的に多いように思います・・。それで「何となく何でもできそうな公務員」、という選択をするのはもったいないような気がします。

また、「何をしたら一番、林業界に貢献できると思いますか?」という質問もよくされるのですが、その答えはあるようでないので、自分で決めるしかありません。

その考えを自分で持てるようになるための学生生活のはずなのですが、大学にいるだけでは一次情報が(正しい二次情報の認識すらも・・?)足りないので、迷ってしまうのです。私も4年間大学にいてもさっぱり分からなかったので、我儘を言って大学院まで行かせてもらいました。

自分で情報を集めたり、自主ゼミで色んな現場に行って多くの方に出会うことで、ようやく自分のやりたい切り口が見えてきました。すると、幸運なことにそれにぴったりのキャリアも見つかったのです。自分で動かないと、心をゆさぶる出会いや一次情報がないと、人生のテーマにはなかなか出会えないものですね。

 

林業女子が天職に出会うには、自分のテーマが必要。

どの業界に関わりたい?どんな仕事をしたい?そこを研ぎ澄ませることから始めてみませんか。

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