言葉を自分でつくること。言葉は生き物。~「林業女子」が巻き起こした反響から~

突然ですが、わたしはダジャレが大好きです(笑)

コンサルのお仕事では、新しい組織の名前とかキャッチフレーズとか、「言葉をつくる」仕事も多かったのですが、そんな時はとにかくアホでもいいからたくさんアイデアを出します。私の頭は四六時中ふざけたことを考えたり言葉遊びをするクセがあるようで・・そこからふっと出たフレーズが奇跡的にいいものだったりして、ハマることがあります。

それがさらにダジャレっぽかったりして(笑)でもこれが案外、語呂がいいとか、テンポがいいもんで、覚えやすくっていいんですよ?

 

それはさておき、この「自分で言葉をつくる」の原点ともなった林業女子会のエピソードです。

 

「林業女子」をつくってみて感じた言葉の力

2010年に「林業女子」という言葉を考えて、林業女子会をつくりました。

でも「林業をやっている女性」という存在はもちろん、それ以前の昔からいましたし、林業女子会の先輩にあたるような林業女性団体ってたくさんあります。だから私たちが特に新しいことをやったという感じはありませんでした。”古くて新しいライフスタイル”って、自分たちでもそう呼んでおりました。

それなのに、当時の「農業女子」や「山ガール」「森ガール」の流れもあって、「林業女子」というキーワードを発信することでたくさんの方に注目していただけたし、何より全国にこんなに多くの林業女子仲間が増えたことは驚きで、言葉の力ってスゴイ!と感じたのでした。

 

・すでにあるものが言葉が変わるだけで見方が変わる(スポットライトが当たる)

ように見えて、

・言葉を与えることでそのもの自体の定義が少しアレンジされる

ことにもなっていたのかもしれません。だからこそ、それまでの林業団体にはいなかった、異業界や消費者に近い人もどんどん林業女子会に入ってきてくれたのだと思います。

 

ところがこの「林業女子」という言葉は、

①それを見たり聞いた人が持つイメージ

②発信する側が、みずから「定義」しているもの

この2つがからみあって、さらにちょっとずつズレながら言葉の存在感やイメージが醸成されていったので、厄介なことが色々と起こったのです。

 

「林業女子」に対する反応に困惑・・・

言葉ってすごい威力があるけど、その代わり広まれば広まるほど、一人歩きしちゃうものなんです。当の生み出した本人も知らぬ間に、わが子が別人のように変貌を遂げているものでして。

 

「林業女子」ってきいて、いろんなイメージを持つ人がいます。

たとえば

「木を伐ってるの?ゴリラみたいなムキムキの女子か!?」と言われたり →ちなみにこれは林業界のおじさんたちの反応。

「山の知識と都会的なセンスも持ち合わせててバランスがいいね」と言われたり →これはやさしい女性の意見

「林業女子なんてチャラチャラして!」と、一蹴されたり →これは業界の厳しい女性の意見(苦笑)

ほんと色々なこと言われて、人の見方は色々なんだって、当時学生だった私はとても勉強になりました。でもみなさん、会ってお話するとちゃんとよくわかってくださるんですよ。最初はきびしかった女性にも、趣旨を説明したら打ち解けてうれしかったです。

 

そして、よくも悪くも、業界から色々なことを期待されすぎました・・。

「林業界に現れた救世主!女神!」みたいに持ち上げてくる業界の人。

「林業女子といいながらチェーンソーの一つも持てんのか!」と批判してくる人。

もうもう、色んな自分のイメージを押し付けてくる人たち。

 

せっかく自分たちの想いがあって楽しみながら活動してるのに、一体なんやねんーー!!みんなが思ってるのと女子会は違うよー!と憤ったり落ち込むこともありました。

でもよくよく考えたらそれは、言葉の定義をちゃんと発信していなかった自分たちが悪いんだなって反省したんです。

 

ぼんやり考えてることも言葉にしないと伝わらない・・!

今思えば、人間誰だって色眼鏡を持ってますから、どれもこれも、仕方のない反応だったのだと思います。

だって、林業女子っていきなり言われても、得体が知れないんだもん!妄想が膨らんじゃいますよね。

 

また、女子会の中でも問題が起こりはじめていました。林業女子会の数がどんどん増えてお互いの顔も見えなくなり、はたして同じ想いでやっているのだろうか、こんな活動してる自分たちも女子会って名乗っていいの?と疑問が出てきたり、さらには林業女子会もどき(?)のような似た団体が(行政などの手で)勝手に作られていたりして、周りから見ても混乱するような状況が起こりつつありました。

そして林業女子や林業女子会は商標登録もしていないですから、勝手に言葉を使われても文句はいえません。あるTVドラマの中で「私たち、林業女子会で~す!」という山ガール風の団体が登場したときは驚愕しました・・・。(林業女子会は山スカートはいて山仕事しませぇーーんっ!)

 

実はこんなピンチがあってみんなでたどり着いた答えは、

「もう一度しっかり、林業女子(会)の定義を言葉にしよう」ってことでした。

 

そこで生まれたのが、「林業女子会10の想い」です。https://forestrygirls.wixsite.com/portal/policy

 

当時あった全国の女子会の代表者で納得するまで意見を交わしながら、つくりあげました。今も、このポリシーに共感した人だけが女子会を作ることができるという仕組みにしています。

逆にいえば、想いがちゃんと共有できてたら、私たちの場合は商標登録も難しい仕組みもいらない。

でも目に見えない想いの共有って、これがすごく難しい!細かい規則や体系立った組織を持たない林業女子会だからこそ、拠り所となる「言葉」が必要だったんです。

そうそう、林業女子ってこうだよね、林業女子会ってこういう団体だよね、という、何となくみんな感じてはいたことを、ちゃんと言葉の粒にすることで、クリアになった。外の人にも胸を張って言えるようになった。誤解されそうになったら、これを読んでくださいって言えばよくなった。

「ああ、やっぱりみんなもそう思ってたんだ!」って再確認できたのもうれしかった。それも言葉の力やね?

 

言葉の定義は自分でつくればいい。

しっかりと林業女子の定義をしたことで、それまで色々言われる度に悩んだり憤ってたりしたのが、「私たちはこれでいいんだ」「林業女子はこうなんです」と自信を持てるようになりました。

林業女子たるもの、やっぱチェーンソーぐらい使えなきゃだめかな・・?と何となく不安になったら、定義に立ち返ればいい。何か見当違いなこと言われたら、「だってここに書いてあるでしょ?」って言えばいい。

言葉の定義は、ないなら自分でつくればいいのだと感じた経験でした。

というより、言葉を作ったのなら、そのちゃんとした定義や想いも言葉にしてセットで作っておかないといけないってことかな。

 

ただし、言葉は生き物です。

これから色々な林業女子のカタチが出てくるほど、言葉の幅も広がって言葉が変化していく。それに合わせて、作った定義も柔軟に変えていかなければならないでしょう(大事なことはきっと変わらないけどね)。

そしてその役目を追えて言葉の寿命を終えたら、次のあたらしい言葉が出て来るんでしょうね。

その頃の林業女子もまた、きっと基本は大昔から変わってないけど、ちょっと違うスパイスが効いているんでしょう。

 

「林業女子」とは・・間違いなく私にとって、大事にしたい言葉なのです。

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