たまには高知の嫁目線で書いてみます。
うちの主人は高知県の人。まだ高知に住んでいる訳ではありませんが、用事の度によく訪れては、高知に魅了されています^^
とくに驚かされるのが、その「食」の豊かさ!
高知と言っても、その市町村ごとに特産品が違っていたり、びっくりするくらい色々な食材が溢れていて、どれも美味しいので飽きることがありません。
また、「え、こんなものも名物なんや」という発見があります。
今回は、カツオのたたきだけじゃない、高知県民のソウルフードの中でも意外だったものについてまとめてみます。
予想以上のカツオ愛!
と、いきなり逆のことを言うようですが、「カツオだけじゃない」といいつつ予想をはるかに超えるカツオ愛にまず驚いたのでエピソードをご紹介します。
高知県民一人当たりのカツオ消費量はダントツ日本一の約5kg、と聞いたとき、いくらなんでもそんなに食べてる?と疑問に思ったものですが、実際の食生活を見ていたら納得しました(笑)
1)まず、カツオを食べる頻度は週3日以上。たたきに限らず、お刺身も食べます。
2)たたきの”食べ比べ”が好き。あちこちに出かけては、「ここのたたきはどうかねぇ」といって、ついつい買って帰っちゃいます。すごい時には、ランチにたたきを食べて、さらにお土産に別の店でたたきを買って帰って夜に食べ、一日に複数回食べます(笑)
3)スーパーのカツオ売り場面積が異常に広い。しかも、お魚コーナーの一番目立つ位置に。どれも他県で見るのより明らかに新鮮でおいしそうです。高知県身はかつおの味にうるさいよ!
4)病院に入院してもカツオを持ち込んで食べる。病院へお見舞いに行ったら、病室の隣の人が昼食にカツオのたたき持ち込んで食べていたことにおどろき。そこまでしても、やっぱり食べたい!
5)宴会メニューはかならずカツオのたたきが入ってる。親戚の集まりで仕出しを頼むとき、基本の寿司セットなどがある中に、オプションでやっぱり「カツオのたたき」が入ってます。
いくらなんでも、ここまでとは思わなかった(笑)
さらに言うと、カツオにかけるポン酢にもすごいこだわりがあって、好みが分かれます。
おやつは「いも」に限る。
高知のお土産といったら、「いもけんぴ」美味しいですよね。さつまいもの細切りに砂糖をふって、油で揚げるシンプルなおやつ。観光客向けのお菓子かなと思っていたら、高知県民の「いも好き」は本物だったのです。
(画像引用元:http://www.chikamori.co.jp/imoten.html)
1)「いもけんぴ」のバラエティの多さ!いもけんぴメーカーは県内にいくつもあって、有名どころだと「水車亭」とか「芋屋金次郎」でしょうか。もちろんスーパーのお菓子コーナーにもたいてい複数種類が売ってます。さらには、いもけんぴにも地域性があるらしく、嫁ぎ先の安芸市は「砂糖たっぷり」「柔らかい系」のいもけんぴ屋さんが多いです。
2)写真の「いも天」も大好き。高知城前の日曜市でいつも行列できているのが、いも天屋さん。一口サイズにカットしたさつまいもに甘い衣をつけてサクッと揚げたおやつが、大人気。主人の小さい頃のおやつといえば、おばあちゃんが揚げてくれるいも天だったとか。ちなみにスーパーには小麦粉と並んで必ず「いも天粉」という高知限定?商品が売っていて、これが美味しく作れるので、東京の家にも常にストックしてあります。
3)いもを練り込んだお餅「かんばもち」も。室戸の方ですが、お餅をつくときにさつまいもを練り込んで作るかんばもちが、これまたお馴染みのおやつなんだとか。実際食べてみましたが、いもがたっぷり練り込まれた薄茶色のお餅は、何もつけなくても十分甘くて、確かに手軽でお腹にたまるおやつですね。
ということで、おやつといえば「いも」というくらい、みんな好きだよね。
「寿司」は主食(笑)
大皿に料理を盛りつけた宴会料理、皿鉢(さわち)には、唐揚げや色々なおかずが載っていますが、何といってもお寿司が欠かせません。代表的なのは、さば寿司。お頭としっぽまで付いた豪快な盛り付けで、ぷりぷり脂ののった大きなサバ寿司が真ん中に鎮座しています。
高知の人は、お寿司も結構食べるんだなと思いました。
1)高知の新鮮なネタでにぎり寿司。宴会はだいたいにぎり寿司が出ます。何といってもネタが新鮮なので、回転すしもかなり美味しいお店があります。もし食べきれずに次の日に持ち越した場合は、なんとオーブンで焼いて食べます(これって井上家だけ?)。「焼いたらお酢が回って美味しいね」とのことです。確かにまた違った美味しさです。
2)おばあちゃんの手作り寿司もおいしい。祖母は、何かあるとお寿司を作っては近所に配っていました。色々な具が入った五目寿司、卵やサバの入ったちらし寿司。ちなみにどれも、米酢ではなく柚の酢で作ります。
3)地域によって違う「田舎寿司」があります。特に山の方では、海の幸ではなく、みょうが・しいたけ・こんにゃく・たけのこ・りゅうきゅうなどがネタになっている変わったにぎり寿司があって、これが田舎寿司と呼ばれています。東部の方だと、具とお米を重ねた押し寿司のようなこけら寿司というジャンルも。ちなみにこれらの田舎寿司も柚の酢でしめてあって、具の種類や酢の効かせ方などで微妙に地域性がある。みんな地元の味になれているので「○○町の寿司よりやっぱうちの町の寿司がおいしい。酢がきーちゅう。」とか言っています。
主食は白米ではなく寿司なんじゃないかと思うくらい(笑)、高知の人は寿司も大好きなんですよ。
「きーちゅう!」調味料といえば柚子。
高知県の食といえば柚子のイメージはありましたが、これも予想以上に重要な調味料であることがわかりました。
1)米酢よりも「柚の酢」。ゆず果汁のことを、高知県の人は「柚の酢」とか単純に「お酢」と呼んで常備しています。スーパーや道の駅で、一升瓶や5合瓶に入れられた酢がたくさん売られています。ちなみに保存が効く塩入と塩なしの2種類があり、料理によって使い分けています。高知の調味料は「さしすせそ」というか「さしゆせそ」でした(笑)
2)なんにでもかけます。お寿司を柚の酢で作るのはさきほど紹介しましたが、たとえば時間が経ったお刺身に柚の酢をダイレクトにかけてちょっとさっぱりさせて食べます。お肉にもかけます。サラダもドレッシングよりポン酢で食べたりします。
3)ポン酢の味にうるさい。シンプルな柚の酢に加えて、ポン酢も重要です。小さなお惣菜屋さんがオリジナルブレンドのポン酢を作って売っていたりして、その味へのこだわりは相当なようです。ちなみにうちの主人は数あるポン酢の中でも馬路村の「ゆずの村」しか受け付けません(笑)柚の酢の割合が高くて「きーちゅう!(効いてる)」ことが、とっても大事なんだそうです。
4)あちこちに柚子の木が植えてある。農家さんじゃなくても柚子の木を持っている人も多いみたいです。うちにも山奥に柚子畑があるらしく、昔は秋になると家族や親せきみんなで行って柚子を収穫し、その場で絞り機で果汁をしぼり、一年分の柚の酢を確保したのだとか。柚子の木は何も世話せず放置していても自家消費分くらいはちゃんと実を実らせてくれるようで、ありがたい植物です。
味付けに迷ったらとりあえず柚の酢をかける!
柚の酢とポン酢は冷蔵庫に常備しておく!
これ、高知に嫁ぐ人はご参考に(笑)
意外と食べてる「手羽先」
手羽先といえば名古屋のソウルフードですが、高知でも意外と食べてます。
1)お肉屋さんや惣菜やさんに手羽先を買いに行く。その場で揚げてくれる手羽先が大好き。お肉屋さんに寄っては手羽先だけ買って帰ることもしばしば。「ここのお肉屋さんは手羽先が美味しい」とそれだけで有名なお店もあります(笑)
2)手羽先専門のお店もある。うちの近所ですが、テイクアウトの手羽先屋さんがあります。関西でいうと道端にあるたこ焼き屋さんのイメージでしょうか。誰かの家にお邪魔する時、手土産に買って行ったりします。
3)スーパーの店頭でも売っている。スーパーの駐車場や軒先で、たまに屋台が出てることありますよね。近所でよく見るのが手羽先やさん。パリパリで美味しいのでよく買って帰りますが、みんなが20本とか30本単位で爆買いしていくので、売り切れてることも。やっぱりみんな好きなんだ!
そういえば高知の人はモーニングもよく行きます。手羽先にモーニング・・いろいろ愛知と似てる感じがします。
高知にしかない謎の「練り物」がある。
最後に意外とソウルフードだったのが、練り物です。新鮮なお魚だけでなく、お魚で作った練り物も好きなようです。卵とじにしたり、そのままおつまみに、よく食卓に出てきます。
1)「すまき」という練り物がある。高知でしか見たことがない、かまぼことナルトの間みたいなピンク色の練り物。これが、素麺とかうどんの上に乗っています。
2)はんぺんのことを「天ぷら」という。義母が「お好み焼きに天ぷら入れようか」というので何かと思ったら、スーパーに本当に「天ぷら」という商品名の茶色いはんぺんが売っているではありませんか。しかしお好み焼きに入れるのも変わってる・・(井上家だけ?)。
3)たまご入りの「大丸」も人気(写真の皿鉢の下の方にあるピンクのもの)。大きめのすまきにゆでたまごが入った感じの大きな練り物があります。おめでたい縁起物だそうで、お正月にはこれが欠かせないんですって。
・・・どんな食にもお酒がお供。
これはいわずもがな(笑)
お酒飲む量も、予想を超えて半端なく多いです。
親戚に痛風の人が多すぎ・・・(苦笑)病気になってでも飲みたいのです。
高知ではどんな食材も、お酒を飲むためにあるのかもしれませんね。
ほんとうに美味しいものがいっぱいで、まだまだ紹介しきれないほど豊かな食文化のある高知。知れば知るほど好きになります!
土佐へお越しの際は、ぜひカツオ以外のグルメにもチャレンジしてみてくださいね。