林業女子のキャリア論:男性は「成長」、女性は「変身」。

森を人間にたとえてみたときに、

針葉樹林は男性的

広葉樹林は女性的

と感じることがあります。

 

力強いまっすぐな幹が林立する針葉樹林、色々な木々が自由に葉をそよがせる広葉樹林が、それぞれ男女のイメージなのです。

今回はそんな森に例えたりしながら、男女のキャリアの違いについて考えてみたいと思います。

キーワードは、「成長」と「変身」です。

 

キャリアアップという言葉がしっくりこない時に

5年間のコンサル経験の中で、林業・木材業の中小企業様の採用に関するサポートも色々とさせていただきました。どんな産業でも人手不足になってきていますが、林業界もやっぱり「応募が少ない」「いい人材を採りたい」という悩みは尽きないので、人材採用はとても大事な課題です。

採用に加えて、せっかく採用した人がすぐに辞めてしまったりせず、やりがいを持って働いてもらうにはどうしたらいいか、というのも重要になってきます。

その中で、この会社に入るとどんなことができてどんな風に成長していけるのか、という「キャリアプランを描く」ことが間違いなく大事という実感がありました。

たとえば林業会社の作業員なら、技術を身に着け、資格を取り、チームリーダーになり、ゆくゆくは幹部になって経営に携わっていく!という打ち出し方。

また木工技術者では、職人の技術の高さに応じて明確なランクアップ制度を設けてモチベーションにつなげている企業もあります。

研究者やコンサルタントにも、「上級」とか「幹部クラス」とかレベルアップしていく仕組みがありますよね。

 

いわゆる「スキルアップ」や「キャリアアップ!」のイメージが持てると、何か特定の能力を高めて深めていきたい人にとってはやる気につながりそうです。

ただ私自身そうなのですが、何かどんどん伸びていって階段を上がっていくというキャリアにあまり魅力を感じない人もいて、これってもしかして女子にありがち?と思うんです。

 

華麗な変身を遂げる林業女子たち

男性がどちらかというと職人タイプで道を究めていったり出世街道を行っているように見えるのに対して、女性は華麗に「変身」していっていると思います。

私の周りの林業女子たちも、一筋縄ではいかないキャリアを辿っています。

 

●林業がっつりやりたかったけど、建築に興味が湧いてきちゃって建築関係へ営業に力を入れている木材女子。

●教員免許を持っているけど林業に引き込まれて現場やっている林業女子(将来はやっぱり先生になるかも)。

●林業現場でチェンソーやっていたけど、結婚妊娠を機に調査専門になった林業女子。

●アパレル関係だったけど製材所に嫁いで木材のトップ営業ウーマンになっている木材女子。

●介護の仕事していたけど林業女子会に入って転職、ペレットを売っているバイオマ女子。

●木製家具メーカーから林業の世界にはまって林業調査会社に転職したコンサル女子。

●林業現場やっていたけど運命の出会いで寿退社した幸せ女子。

 

いろいろとありますが、一所に留まってふんばるというより、見事に転身・変身してそれぞれの場所で活躍している人が多いように思います。時にはまったく異世界に飛び出ていくこともありますが、うまく乗り越えて行っているように見えます。

また、もちろんのことですが結婚や出産を機にキャリアチェンジを余儀なくされる時もあります。

ある時は仕事人、ある時は母親という一日の中でも何度も顔が変わることも普通です。

女子のキャリアは、変身せざるを得ないことがネックに感じることもありますが、女性は変化に強いと思いますし、その変身を楽しむことこそが、本来の女子に向いたキャリアかもしれないと思います。

 

雇用をする経営者の立場から言えば、せっかく育てた社員がキャリアチェンジして離れて行ってしまうのは問題だし、正直言って「これだから女子は・・」と思ってしまいますが、逆手に取れば、異業種の女子をヘッドハンティングしてきてもきっと林業で活躍してくれるという期待もできます。また自社の中に複数の事業分野があれば、自社に留まりながらどんどん変身してもらうという可能性もあります。

だからキャリアプランの描き方は、一直線に「成長」しつづけるという男性型のプランだけでなく、「変身」をし続けるという絵も描いていくことが、必要かもしれないと感じています。

 

私の理想はというと・・・

私自身の持っていたキャリアのイメージを言うと、それは

「20代のうちは勢いとアイデア勝負でデザインやマーケティングの仕事をする」

「次は子育てもしながら建築の勉強をして資格をとり建築のプロになる」

「木の扱いにも精通してきたら材木屋(銘木屋)になる」

「最後は篤林家になって教育もやる」

 

という波乱万丈なものでした(笑)(今も変わってません。)

やりたいことが多すぎるのも原因ですが、何か一つの事を極めるのもいいけど、色々挑戦して自分が変わっていけるのも楽しいなと素直に思うからです。

また、これに加えて母親業、嫁業、親戚付き合いや地域活動などに精を出すのも楽しみたいし、畑仕事や料理も工夫したい。絵を描いたり趣味も深めたい。

ある時は○○、そしてある時は・・・といったように、あれもこれも欲張り楽しんで、変身しつづけることが理想のキャリアです。

 

前職を辞めたとき、「岩井さんってコンサルでバリバリ働きつづけるイメージあったのに意外!」って色々な方に驚かれましたが、こういうわけです。もちろんその時の仕事はプロとして存分に集中してやりますし大好きですけど、今は今の時間が充実しています。仕事が変わっても、そのどれもが自分であるという実感があります。

 

針葉樹林だけが価値ある森かな?

冒頭に述べたように、針葉樹林(人工林)を男性型、広葉樹林(雑木林)を女性型とイメージしてみましょう。

人工林では、一斉に植えられた針葉樹の苗木が、競争しながら天を目指して真っすぐ伸びていく。効率よく、目的とする木材が収穫できる。森の様子は、一年中緑の葉が茂っていていつ見ても同じ感じで安心する。

いっぽう雑木林では、好き勝手に色々な樹が生えていて、途中で曲がったり枝分かれして、どんな木になるのか分からない。春には新緑、秋には紅葉と劇的に風景が変化する。気が付いたら林床にまた違う木の芽が出ている。

どちらがいいとか悪いではなく、針葉樹林も広葉樹林も、それぞれに役割があります。

広葉樹林では木以外に、山菜や木の実など思わぬ森の幸がとれたりします。

 

画一の針葉樹人工林があちこちで行き詰まって、広葉樹林の価値が見直されているこの頃。

キャリアの在り方も、「変身」を許容していかせるような、色々な形があったらいいのになと思います。

 

 

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