~主婦の意見ですが~
今年度から山形県総合政策審議会の委員をおおせつかり、8月に山形に行っていました。
その審議会、第一回の「主な意見等」資料がwebで公開されていました。
山形県庁・山県県総合政策審議会
名だたる方々の中になぜか混じっているおそらく最年少の私は、今は“やたら林業に詳しい主婦”くらいの立場でしかないのではありますが・・・
ですが前日から山形のお友達を訪ねて森や現場を見せてもらい、精一杯まとめました。
たいしたことは言えないんですが、いつも大事にしたいことは2つです。
●課題解決よりも価値創造の前向きな発想
●木材生産のための人間、ではなく、人のための林業、という視点
です。
実際、審議会での発言を聞いていると、
「地方と首都圏との格差是正」
「人口流出の防止」
「労働力の確保」
といった、今起きている現象を課題ととらえて、どうにか対策しようという視点の発言が多かったのですが、それは本当に本質なのかどうか、疑問に思うこともありました。特に地方では、都会がすばらしい、都会に追いつけ追い越せ、という発想がやっぱり抜けなくて、「差」ばかりに目が行ってしまっています。それでは見えてこないものがある・・・。
また、政策としては数値目標を立てることは必要なのですが、そこには人間が置き去りにされてしまうことがある。木材生産量、発電量、市場規模などが前に立ちすぎて、林業に生きる人の安全や幸せを見失っていませんか?
私は林業からの視点で発言が求められていますが、様々な分野からの委員が集まっているこの審議会、他の方の発言からも勉強しながら、これからもお役目務めていきます!
私の発言要旨は以下です。
【井上委員】
・山形は天然林が多く、降雪により伐採期間が限られるという条件が悪い中でも生産量を確保できる高い伐採技術を持っている。農林大学校では、山形ならではの気候や土質、材質を生かすような特徴的なカリキュラムを提供してほしい。また、多様な人材の活躍という視点では、林業界・木材業界でもマーケティングやデザインなど女性の感性を活かすことが求められている。
・山形の林業の独自性は、県外・海外に出て気づくものでもあるので、若い林業者が視野を広げるような機会を設けることも必要ではないか。人口減少だからこそ、1人1人にスポットを当てた政策が重要。木材を生産する人材ではなく、人間が幸せに暮らせるための林業という発想で人材育成などに力を入れてほしい。
・山村地域の暮らしは、女性が支えている部分が非常に大きい。山村の豊かな食文化や恵まれた森林資源を活かした“森のようちえん”の取組みなど、山村ならではの豊かなライフスタイルや、山村の女性のスモールビジネスの可能性などを追求してほしい。