私は今、コンサルタント業を生業にしていないのですが。
・・・というか、会社に属していないからこそ相談しやすいのでしょうか?
今でも知合いから、山や木にまつわる多方面の相談事を持ちかけられることがあります。それぞれ結構ユニークなので、いくつかご紹介してみたいと思います。
相談された側としては、「ああこんなことで悩んでいる人がいるんだ!」「こんなニーズがあるんだ」と日々勉強になります。どれも勉強しなくっちゃと思います。
case1「信頼できる人に山を売りたいのですが」
これは、日本で最も多い山のお悩みかもしれません。
「亡くなった祖父母が○○県に持っていた山を手放すのだけど、大事に育てた山だから、できれば信頼できる方に売却したい」というご相談でした。
お話を聞いてみると、とても心を込めて所有者の方が自ら手入れされてきた山で、ちゃんと道もついている好立地だということ。子孫としては大切な資産としてはもちろん、先代の想いを大事にバトンタッチしたいですよね。親族が受け継ぐことができたら理想ですが、遠い場所に住んでいる不在村地主の場合は、難しい問題です。
素敵な山・・・私が買えたらよかったのですがそういうわけにもいかず、その地域で林業をされている方を頼って、信頼できる林家さんか林業会社を紹介してもらえないか、おつなぎいたしました。
こういう時って、森林組合が対応するものなのでしょうか?いずれにせよ、林業にかかわりもない方にとっては、だれに相談したらよいかすらわからない、頭を抱えてしまう問題です。やっぱり、信頼できる窓口がほしいものです。
case2「特殊な寸法の木材を安く手に入れたい」
これは、愛知県に住む私の友人からのご相談。
DIYで自邸の外に柵を作りたいのだけど、イメージしているちょうどいいサイズの木材がホームセンターに売っていない。「長いものをカットすると高くついちゃうし・・・安く分けてくれる材木屋さん、知らない?」とのことでした。
で、こういう木材に関することは、とりあえず主人に相談しちゃいます。木材流通のプロですから、できる範囲でなんでも答えてくれるんですよ^^
あいにくその地域には思い当たるツテがなかったので、一般論の答えになっちゃいましたけど、こんな答えをしました。
・まず、求めている寸法は一般的な規格じゃないので、材木屋にもあるかどうかわからない。
だから選択肢としては、
A:コスト重視なら、柵の設計を変更して手に入りやすい材料のサイズに合わせる。
B:サイズにこだわりお金を惜しまないなら、ホームセンターで長尺材をカットしてもらう。
C:手間や出会いも楽しめるなら、近くの材木屋を探して突撃訪問する!(笑)
ですかね。
・ちなみにアドバイスとして、外構に使うならスギの赤身を使うか、塗装をしっかりね!
とお答えしました。その後、どうなったかまだ聞けてないけど・・・。
木材規格とニーズと流通の問題って、小さな案件から大きなものまで、つきものなんですね。どうにかならないものでしょうか?
case3「ヒバの葉っぱを買い付けたい」
これは関西の知人からのご相談。話を聞いたときはいったい何だと思いましたが、どうやら食品の包装に、抗菌作用のあるヒバの葉っぱを仕入れて使いたいという、ビジネスのご相談でした。
これはすぐに答えが思い浮かびました。ちょうど関西の山主さんがヒバの商品化を目指して、熱心に増やしているところだったのです。まだ売れた実績はなかったのですが、とにかくその方とおつなぎしました。早速依頼主さんが訪問されて、具体的なお話ができたそうです。
まだビジネスになっていない小さな種は、アイデアやニーズさえあれば、動きが速いですね。ちょっとはお役に立てたかな、と思った出来事で、これからの展開が楽しみです。
case4「林業関係の視察先でいいところを教えてほしい」
これは、友人の林業マンからのご一報。
「明日から○○県に行くんだけど、林業関係で見学できるところ、どこか知りませんか!」ってだいぶ急な相談ですよね(笑)
とりあえず、私が以前行ったことある場所だったのでおすすめを2,3箇所ご提案して、実際に行ってくださったみたいでよかったです。
色んな所に行っててよかった~かな~!
私はいったい何屋さん(笑)
ほんと、色んな相談がありすぎて、私はいったい何屋さんなんだと思ったりしますが(笑)、ボランティアでもとにかく人助けになって、山や木の価値が高まるようなお手伝いができたら最高です。
そして、どのご相談にもそれなりのお答えはできたわけですが、考えてみたら全部、私からさらに誰かを頼って答えられたものばかりなんです。色々なジャンルの頼れる方、日本各地の友人がいること。ほんとうに、ありがとうございます。
私自身、自分の職業に限定せず、山や木のことならなんでも関心があって知りたいという人間です。
これまでに頂いたご縁を頼りながら・・・「山のことならとりあえず井上さんに相談してみよう」って思われる人になれたらいいな。誰からも「気軽に相談できるおばちゃん」になりたいな!
これからも枠を決めすぎずに、好奇心を持ち続けて勉強をしていきたいと思った出来事でした。