高知へ来て、生活がガラッと変わりました。
まず、田舎ならではの環境の変化。
朝起きて畑へ行く。夜はフクロウの鳴き声が聞こえる。
梅干しを漬けたり、もらいもののバジルでジェノベーゼを手作りしたりする。
昔ながらの地元の魚屋さんで獲れたての魚を買うのが楽しみ。
たまには甥っ子の子守をする日も。
ゆったりのんびりとはいかず、それなりに雑多なことで忙しいけれど、東京暮らしとは毎日の楽しみ方が変わったなという感じです。
それから、はたらき方の変化。
旦那さんの家業を手伝い始めまして、私の仕事は広報や経理、事務などあらゆることの補助からスタートです。主に、お義母さんがやってきたことを手ほどきしてもらっています。
お義母さんには、もちろん家のことも習います。
一日の動きとしては、
朝6時半頃にみんなで朝食を食べて、7時にはお義父さんと旦那さんが先に出かける。
その後、お義母さんと昼食をつくったり家事をして、二人で9時くらいに家を出て事務所に行く。
そこから、事務所で色々と作業。
昼食はみんな事務所に帰ってきていっしょに。
午後も仕事はあるけど、出掛けたついでに家の用事も済ませたりして、あまり仕事と家の時間の区切りがなく(よくも悪くも(笑))。
そんな感じです。
私はそんな変化を楽しんでいるが・・・
友達にいわせると、私がそんなはたらき方をしてるのが想像できないらしい(苦笑)
「京大出て、今までバリバリやってきたのに、そんなの耐えらえるの!?」
てな言い方もされる。
私としては、そんな風には全然思っていないし、そう言われるのが不思議な感じもしてます。
確かに、全国あちこち飛び回って仕事して、時には人前に立って喋ったりしてた頃と比べたら、地域を出ずに一日中家族といてあーでもないこーでもないやってる今は、キャリアダウンみたいに見えるのかもしれない。
何か、これまで積み上げてきたものを活かしていないような、もったいないという印象なのかもしれない。
たしかに、建築に関しては1から勉強なので新人やり直しもいいところです。
そんなキャリアチェンジに対して、井上さんはプライドが許さないんじゃないか、バリバリやってるのが好きなんじゃないかと、性格的にそうだと心配されてるのかもしれませんが(苦笑)
しかし自分で言うのもなんですが、これが私の性格のいいところで、この劇的な変化をとても楽しめているし、また1から新しいことを勉強していったりするのが、好きなんですよね。
ぜんぜん変なプライドとかはないと自分では思ってます(笑)
これまで学んできたことが、必ずいつか役に立つと思っているし、焦ってもないです。
変にこれまでの実績や今持っている微々たるスキルに固執してしまうのは、気持ちも苦しいし、前に進むことを妨げるものでしかないと感じています。
ある意味で、これまでのものは全て捨てていく覚悟みたいな、すっきりした気持ちを持って、高知にやってきていますよ。
いざとなれば全て捨てていけることは強さかもしれない
女性の特徴として、積み上げ型の「成長」キャリアよりも次々変わる「変身」の方が向いているかもしれない、という話は、過去のブログでも書きました。
自分が変身を経験してみて、やっぱりそうだと思いました。
過去にとらわれず、縛られず、身軽にキャリアチェンジしていけることは、強さだと思います。
ここで、私がドはまりしたアニメ攻殻機動隊S.A.C.の主人公、全身義体サイボーグの草薙素子ちゃんのセリフを思い出すんですが、
「状況に応じて義体も脳殻も変えてきた。なら記憶も変えるまでよ」
ここには、たとえ顔も体も記憶も変えてしまったとしても、そこにはちゃんと自分の魂があるんだという究極の自信とか強さみたいなものを感じるんですよね。
現実世界ではそこまで強くならなくってもいいとは思うけど、しなやかに強い素子ちゃんみたいになりたいと思ってしまうのです。
(大事なことは漫画から学びます)
(知らない方は詳しくはアニメをご覧ください!)
話は戻って、林業女子のキャリア論。
林業の世界でも、華麗な転身を遂げ幸せに近づいていく素敵な女子たちがいる。
そこには、いざとなったら(大事なものや本当の幸せのためなら)肩書や経歴にとらわれず、余計なものはすべて捨てていけるような覚悟があるのかもしれない、と思ったのです。
そうだな、木にたとえるなら、古い幹を断ち切ることで何度も新しく生まれ変わる、萌芽エネルギーを持つナラの木のように。
もちろん、過去を否定したり大事にしていないわけじゃない。
でも時には軽やかな潔さが必要なんだと、いつも肚に決めながら生きていきたいと思うのです。
その方が、楽だしね。